有限会社ホームケア野川

困難事例との向き合い方

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「困難事例」との向き合い方

「困難事例」との向き合い方

2026/01/17

おはようございます。

来週から寒波がくるそうですが、今日は今日ですでに寒いです。

歩いていると紅梅が咲いていました。

ここ以外でも梅の花が咲いてきれいです。

春は遠くはありません。

しばらくは寒いけど頑張りましょう!

 

今日はまじめにケアマネの仕事の話を書こうと思います。

去年やっていて思ったことを書きます。

 

俗に「困難事例」といわれるケースがあります。

通常の支援では前に進まないケースを困難事例と言います。

※そもそも人のことを「困難」というくくりにしてしまう時点で失礼なんですが、私が自分で名付けてそうしているわけではないのでお許しください。

 

認知症や病気、医療的に難しかったり、ご家族が独特だったり、生活困窮だったりゴミで散らかっていたり虐待があったり...。

わかりづらいので例示すると...

 

例①:中重度の認知症で一人暮らし。近県に住む家族に1日に数十回電話してしまい家族は疲弊している。在宅生活は限界で老人ホームへの入所を勧めるが拒否して怒る。

例②:年金が少なく家賃と医療費を支払うと食べていくのがやっとでリハビリに回す費用がない。持ち家なので生活保護にもなれず困窮している。

例③:利用者は脳梗塞の後遺症以外は問題ないが、同居の次男が家に他人が来るのを極端に嫌がる。利用者は次男におびえながら生活している。ケアマネが次男にコンタクトを取ろうとしても一切電話に出てくれない。

 

これらは実際にあった誰かを書いているわけではないケースですが、困難事例とはこんな感じです。

書いているだけでも「あぁ、大変そう...。」と思えます。

 

千差万別様々なパターンの「困難事例」があるのですが一様に言えるのは支援していて「簡単ではない」ということです。

本音を言えば担当したくない。

普通にデイサービスに行ったり、ヘルパーさんに入ってもらったりしている人がいい。

これがケアマネの偽らざる本音だし、実際職員から「つらい」と言われることもあります。

 

でも現実はそうではなく、支援が難しい方もいらっしゃるのが現実的な世の中です。

私は「困難事例」があるのがケアマネの大前提だと思います。

珍しいことでも何でもない普通のことです。

そういう支援が難しい方と向き合うためのコツだと私が思えることをいくつか書きますね。

 

まず始めは支援するケアマネの「気持ち」の持ち様です。

「嫌だなぁ。」「行きたくないなぁ。」

こういうネガティブな気持ち、やりたくない気持ちは相手に必ず見抜かれます。

難しいケースほどケアマネは気持ちを奮い起こして前向きに取り組んだほうが良いです。

私は「今日は何が起こるんだろう?ワクワクするなぁ!」と噓でも口に出してから対応に当たります。

困難な事例に当たっても、自分が痛かったり苦しかったりけがをしたり死んでしまったりするわけではないのです。大変なだけで。

なので、ジェットコースターにでも乗る気持ちで取り掛かったほうがいいです。

口に出すと勇気が出ます!勇気があれば実力以上の力が出ます。

もう一つは「難しいケースをやれるということは自分に実力が備わっているから。」という考え方です。

自信につなげて自信を持って取り組むことが大切です。

 

これが初めに持つべき気持ちで、次に実際に使うとよい考え方です。

 

①成功のハードルを下げる

難しいケースであるのが「過大な目標」になっている場合があります。

例えば...利用者がほとんど歩けないのに普通に歩く生活を目指している。こんな場合です。

歩けないのに歩ける生活をするのは現実には難しいですよね。

 

お金がないのに物を買うとか、行ってはいけないのに行くとか、それと一緒でつまり「無理がある」のです。

これを可能にするのは奇跡や運の要素が必要です。

お金はないんだけど欲しいものが落ちていたとか、行ってはいけないはずなのにたまたま入れたとかです。

ないことではありませんが、それはただ運が良かったからです。

ケアマネージャーは運に頼った計画を立てることはできません。

 

しかし「歩けないんだから歩かないでください。」とケアマネが言ってしまうと利用者の願いと対立関係が生まれます。

こうなると苦情になったり、ケアマネの交代になったりケアマネ側が弱いです。

 

私はこの場合、ハードルを下げることを考えます。

「歩きたい気持ちは私もよく理解できます。

でも現状の筋力や安定感では転んで怪我をしてしまうかもしれません。

そのリスクも含めて納得できるなら歩いたらどうでしょうか?」

こんな言い方をします。

転んで怪我をしてしまうリスクも織り込んでハードルを下げます。

転倒して怪我をしてしまうのも、本人の責任であるということです。

 

人生は何に関しても自分の責任→結果ではないでしょうか?

リスクを取ったからこそ成功することもあります。

リスクをとった結果、この方は家で望んだ生活をできる期間がうまれるかも入れません。

 

例えると、偏差値50台の子が東大を受けていけない決まりはありません。

もしかしたら受かるかもしれない。

家庭教師をするとして「必ず受かりますよ。」という約束をするとハードルは高いです。

「落ちるかもしれないけど受かるかもしれない。」と落ちることも織り込んでハードルを下げれば難しくないですよね。

 

こんな感じにしてハードルを下げれば「ケアマネが言ったとおりにやってもうまくいかない!」というような批難がケアマネに向きづらくなります。

 

②仲間を増やす

ケアマネは単体で困難事例に立ち向かうと苦しいです。

管理者が、他のケアマネの困難事例を自分のこととして支援(全面的ではないものの一部は)するのは絶対に必要です。

ケアマネと管理者だけでも足りないです。

 

私は先ず無料の支援者を考えます。

考えられるのは地域包括支援センターです。

が、要介護の方の利用者の担当者はあくまで居宅のケアマネなので過大な協力を求めるのは難しいです。

次は市区町村の職員です。

市民の問題なので難しい状況に市区町村が関わるのは当然です。

対応が困難な利用者というのは社会全体で解決またはより良い方向に行けるようにする必要があります。

市民に幸せに暮らしてもらうことが行政の一番の仕事ではないでしょうか?

この辺りは仲間として先ず協力関係を作りたいです。

 

次にお金がかかる支援者です。

訪問診療など医師はやはり強い味方です。

訪問看護など看護師も、誤解を恐れず書くと看護師は世話焼きな方が多いように思います。

私なんかが「まぁ、いいんじゃないかな、これで。」と思っていることでも看護師からは何とかしようと提案があります。

そういう点で看護師は難しい状況を前に進める力があります。

難しい事例を前に進めるのには医療関係者は味方につけたいです。

ただし費用が掛かるので困難な状況の利用者にそこを納得してもらえるかどうかも難しいところです。

この場合は無料の仲間と一緒に説得にかかります。

もちろん、介護保険サービスの関係者は当然の仲間です。

ある程度仲間が増えてくると、困難と感じていたケースがそうでもないと感じられることはよくあります。

 

③予め予防線を張る

予め予防線を張って自分や仲間を守ることです。

ケアマネージャーは知識や経験をもとに利用者にとって良いことを提案しています。

少なくとも私は私利私欲をケアマネジメントに入れないようにしています。

そのうえで利用者が「そうしません」というのは利用者や家族の自己決定であるので、虐待など法に触れない限りはそれでOKと思うようにしています。

やりたいことに向けて利用者がリスクをとるのもこれはこれで自由なのです。

私たちだって家族や友人が覚せい剤とか恐喝とか、法に触れることするのはやめろと言うと思いますが、スポーツなど多少なりとも危険があることをする友達に「危ないからやめろ」と言ったり、ギャンブルや飲酒や喫煙(過度はだめだけど)をやめろとは言いませんよね。

人生でリスクをとるのも(犯罪以外は)その人の自由人生でリスクを取ってはいけないという決まりは存在しません。

心の中で「残念だけど、それもいいですね。」と思うようにしています。

 

結果として利用者が失敗してしまった時、こちら(ケアマネ・関係者)は傷つかないように予め予防線を張ることが大切です。

人智を尽くしたらあとは天命を待つのみ。

私はケアマネや関係者に「●●な結果になると思います。」とあらかじめ予測して話しておきます。

そうすることで、残念な結果になってしまっても自分や関係者が自責の念に駆られることへの予防線を張ります。

 

逆に利用者がリスクをとった結果、思いもよらぬ良い状況になることもあります。

この場合は「私はあまり良い予想はできなかったです。さすが〇〇さんです!素晴らしい!」と利用者を賞賛し難しい予想をしたことを詫びます。

これはこれで利用者に喜んでもらえます。

 

 

まとめると、順番はズレますが(重要度で順番付けしたので)

まずケアマネ自身が気持ちを高めたうえで③あらかじめ予防線を張りながら、①成功のハードルを下げつつ、②仲間を増やしながら取り組む。

 

 

こうすることで困難な事例はかなり楽になります!と言うと言い過ぎで楽になることがあります。

 

最後に、困難事例は終わった後で関係者で労い合うことが大切です。

「お疲れさまでした。」「〇〇さんが良くやったね。」「素晴らしかったね。」

こういう話をすることお互い疲労が軽減されるしで次のチーム作りに生かせます。

 

あと、もし近隣の包括支援センターの方がこれを見たとして、どうか誤解しないでください。

強調しますが

「池端(ホームケア野川)は困難事例を嬉々として担当するわけではない。」

ということです。

成り行き上、当社でやらざるを得なくなってしまった時は私はこういう考えでやります、こういう考えでやるとうまくいきやすいですよ、という話ですからね。

困難な事例が大好きで、うまくいったときに喜びを感じてならない、とかではありません。

どうか誤解なさらないようにお願いします(笑)

 

文:池端祥一郎

 

求人 ケアマネ 調布 三鷹 介護支援専門員

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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