転ばぬ先の...
2024/08/20
おはようございます!
台風のあと、晴れた日が続きますね。
昨夜雨が降ったおかげで朝は少し涼しくてよかったです。
もう夏は十分!早く涼しくなってほしい!
せめてもうちょっと涼しくなってほしい!!
唐突ですが、5月に怪我をしてしまいました。
バイクの鍵を差しっぱなしにして、バッテリーが上がってしまいました。
リモーネケアの近くの坂を利用して、押しがけからバイクに飛び乗ろうと思ったら脚が上がらず脛を金属で強打しました!
気を取り直して再度チャレンジし今度は無事エンジンはかかりましたが、よく見ると脛がえぐれてズボンが血まみれでした。
出血は何日か止まらず、病院に行き治療したのですがなかなか腫れはひきませんでした。
あれから2か月たった今は怪我は治りましたが、失ったものがあります。
好調だったゴルフの調子です。
痛いまま右脚をかばってやったのがいけないのかフォームが狂ったり、回復に応じて飛距離が変わったり。
スランプでしょうか。こういう時どうしたらいいんだろう?と考えます。
それにしてもひどいスランプ...。
もう逆に前上手くいっていたのがまぐれで、今の下手なのが実力では?とすら思えてきました。
スランプは心を蝕みます(泣)
宮崎駿の映画「魔女の宅急便」の主人公キキの友達ウルスラはキキがスランプの時に助言しました。
「(ウルスラは画家なので)描くのをやめる。散歩をしたり、景色を見たり、昼寝をしたり、何もしない。そのうち急に描きたくなるんだよ。」
これはスランプの時の至言だと思います!自然と時間に任せるということですね。
しかし、ウルスラは才能がある画家で私は才能ない中年趣味ゴルファー。
練習もせず昼寝しててていいのか?という疑問が出ます。
そういえば主人公の魔女のキキはスランプで飛べなくなって箒を折ってしまい、その時新しい箒を作っていた。
キキ...機器、道具、そうだ!なにか新しいゴルフの道具を買えば解決するかもしれない!
道具の性能は私の技量と関係ないですから、一気に上手くいくかもしれない!!
ということで、何か新しい道具を買って気分を変えることも視野に入れます。
何がいいだろう...。
それにちなんで、道具の話、今日は福祉用具の話を書いてみたいと思います!
私は介護に最も必要なのは「介護に適した環境」であると思っています。
適切な環境づくりができれば問題は70%解決できたと思っています。
例えば、ふらついたりして転んでしまう方がいたら転びそうなところに手すりを設置します。
筋力低下で布団から起き上がるのが大変なのであれば、手すりか、要介護2以上の方であればベッドを設置します。
外を歩くのがちょっと不安、というのなら歩行補助杖や歩行器を導入します。
これらの効果は大きく、生活がとてもしやすくなります。
介護サービスで言えばヘルパーも訪問看護も短時間の「点の支援」であるのに対し、福祉用具は返すまでは24時間ずっと役に立ち続けることができる「面の支援」ができます。しかも人件費がかからないから安価に。
福祉用具は大きく分けて、購入と貸与があります。
購入は他人と使いまわすのが嫌な商品です。
具体的にはポータブルトイレやお風呂で使うシャワーチェアやバスボードや台です。
直接肌に触れるので抵抗ある方は多いと思いいます。こういうものは購入です。
貸与はそれ以外です。
ベッドや車いす、歩行器、手すり、あとは高価な床ずれ防止用具やセンサーマットなど様々なものがあります。
これら貸与品は、強度などが一定の基準のもとに作られているので一般(ネットや街の用品店など)で買うよりずっと良い品が多いです。
残念な例ですが、「家族の誰かが急に動けなくなってしまった」とします。
お母様のために息子さんがベッドを某有名メーカーで買い、シャワーチェアを某有名家具メーカーで買いました。
ベッドは40万円、シャワーチェアは2万円だったそうです。
実際使ってみるとベッドは床ずれ防止用具が合わないし、サイドレールがつかないから手すりをレンタルする必要がある。
せっかく買ったベッドをどうするか悩みます。
シャワーチェアは高さが合わないから結局シャワーチェアを購入することに...。
行動力がありすぐ購買行動に移れる方にありがちな残念な失敗です。
せっかくこの場があるので正解の話をしますが、こういう時は先ずは要介護認定の申請をすることです。
申請さえすれば、福祉用具の貸与なり購入なりをすぐに受けることができます。
実際あった話ですが、朝9時にご家族から「父が動けなくなりトイレにも行けなくて失禁している。」と連絡がありました。
私は時間が空いていたので「それは大変ですね!」とすぐに家に伺うと、お父様は腰痛で布団から起き上がれないそうです。
要介護認定の申請をして、その場で福祉用具の事業所の福祉用具専門相談員に電話して来てもらいました。
設置場所の寸法を測り、ベッドと歩く動線に手すりを設置することになりました。
12時にはベッドと手すりが入り、お父様はベッドがあるのでなんとか立ち上がれるようになり、手すりがあるので安心してトイレまで歩けるようになりました。
1か月後、要介護2の認定が出ることには、腰痛はすっかり治って元の元気なお父様へ戻りました。
この方は福祉用具のみで問題を解決できています。
大事なのは、すぐ申請してすぐ福祉用具を導入することでした。
福祉用具と近いジャンルで、住宅改修があります。
これは20万円分まで、負担割合に応じて助成が受けられて家を工事することです。
よくあるのが、階段やトイレの手すりを付けたり、玄関から門までのアプローチを段差解消でコンクリートで治したりすることです。
この場合付く手すりなどは金具から手すりまで色が選べたり、決して悪くないと思います。
ただし、見積もりから申請、工事まで3週間くらいかかるという時間の問題があります。
転倒するときは待っているその3週間の間にも転倒するので問題です。
その場合は、レンタルの手すりを暫定的につけておくと良いです。
画像のようなものです。
転んでから後悔しても仕方ないです。後悔先に立たず。
「転ばぬ先の手すり」です。
この「転ばぬ先の...。」がまさに福祉用具導入のポイントです。
私はいろいろなケアマネージャーのプランを見ていますが、ベテランで巧いケアマネほど導入時に福祉用具を入れて先の危険を消すようにします。
私ははっきり「適切な環境づくりができれば問題は70%解決です!」と言うので利用者の方々もそれがわかってくだされば先に福祉用具を入れ危険を回避してくれます。
逆に、新人や経験が少ないケアマネは利用者が転んでしまったから手すりとか杖とか、車いすとか後追いで福祉用具を入れるので、実際痛い目にあってからになってしまいます。
退院時がまさに、退院時は利用者・患者の体力がどれほど回復しているかわからないのに、ご本人はできる気になっているので一番危険な場面です。
後追いにならないように予測をして、
「退院時は手厚めに貸与の福祉用具を入れる。いらなかったら取り外せばいい。」
これがセオリーです。
利用者・家族の方でこのブログを読んでくださっている方がいらっしゃったら、ぜひこのことを思い出してください。
ケアマネが勧めるなら手厚めに入れたほうが安全で痛い目を見なくて済みます。
ケアマネは損得で言うと手厚めに福祉用具を入れても、逆に入れなくても収益は変わらない立場です。
純粋にリスク回避を考えて発言しています。
良いケアマネはリスクを「予測」をします。経験が少ない人は予測が不十分だから転倒してから対応する後追いになります。
最後に、私が注意していることを書きます。
絶対に「押し売り」しないことです。
確かに福祉用具はあると転倒などのリスクや介護負担も軽減できます。
しかし、あくまで置くのは利用者の家です。お金を払うのも利用者です。
リスクを減らすために勧めはするけど、それが嫌だったら導入しなくて全然問題ないということです。
断っていただいて構わないです。
例えば病気などで体の動きが悪い方がいるとします。2階に住んでいるんだけど階段を降りるのは大変。
1階のリビング近くにトイレがある。
この場合、1階のリビングにベッドを置くとたしかに楽です。
でもリビングにベッドを置くのは嫌という方も当然います。
もっと言うとリビングにベッドを置いて隣にポータブルトイレを置く。
こういうのは嫌なら嫌で仕方ないと私は判断します。
「適切な環境づくりができれば問題は70%解決」と書きました。
逆にそれができないのであれば問題は単純に70%の問題が残ってしまいます。
それでも、利用者やご家族にはそれまでの生活の歴史や意向があります。
「必要性がある!」と言ってそこにずかずか土足で入るわけにはいきません。
利用者やご家族の意見・意向を尊重しながら、必要なアドバイスをしようと気を付けるようにしています。
たまにケアマネ交代で行く時に見ることがあるんですが、家中手すりだらけの家があります。
まるでジャングルジムみたいに縦横に、段差にも空間にも手すりが張り巡らされている家。
これはセンスないと思います。
これでは家でくつろげない。自分の家という感じないのではないでしょうか?
歩けないなら歩行器もあるし車いすもあるので、その方がコストも抑えられます。
ただ手すりなどを、足すだけでなく、安全を確保したうえでの引き算の考え方も必要だと思います。
写真です。
レンタルの手すりはこういうものです。
天井に突っ張るか、床に置くか。
突っ張り型のものは空間に置くと少し目障りかもしれません。
置き型は、少し段差ができます。
それでも転倒防止のメリットは非常に大きいです。
良くある質問で「この手すり倒れないの?」と言われますが、倒れないと思います。
少なくとも使っていて倒れたのを私は聞いたことありません。
手すりで激しく遊んだりすれば別でしょうが、そんな使い方しませんよね。
題名通り「転ばぬ先の手すり」です。
押し売りにならなければ、転んでしまう前の導入を選んでほしいのが利用者Firstに考えた私の本音です。
もう一枚は、夏休み第2弾で山梨県の清里の「萌木の村」に道中寄りました。
まるで魔女の宅急便のウルスラの家みたいだなと思って写真を撮りました。
萌木の村に行く真の目的は日本一のクラフトビールと言われる「タッチダウンビール」です。
何回か来ていますが、タッチダウンはやっぱり美味しい!!
レストランの待ち時間に3本もお土産コーナーのビールを空けて、その都度王冠を開けてくれた店員さんに笑われました。
栓抜きを持って旅行しないといけないな、と思いました。
文:池端祥一郎
東京 求人 ケアマネ 調布 狛江 三鷹 介護支援専門員