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家?施設?住む場所の話

家?施設?住む場所の話

2024/07/13

おはようございます!

3連休の初日、雨も上がって湿度は高いですがよく晴れましたね。

天気予報を見ると、数日は平均気温が30度くらいの日が続くので安心です。

高齢の利用者の方々にとっては今まで日本人が体験したことのないこの酷暑は、まさに生命の危機つながってしまいます。

皆さま熱中症に気を付けましょう!水分を取りましょう。

 

この暑い時期は、体調を崩される方も多く家ではなく施設入所を選択される方も多いです。

そこで、今日は施設入所がいいか、家で暮らしていくのがいいか、を書きたいと思います。

「真面目」バージョンの話です(笑)

 

施設か家か、大前提として、どちらがいいか?を見るポイントはどちらが「幸せ」かを比較することです。

住み慣れた、自分で作った、家族と一緒にいた家で暮らしていくのは幸せだと思います。

酷暑、暑くて古くて狭い家で孤独に暮らすより、クーラーが効いていて清潔で三食出てきてお風呂も入れてくれる施設で暮らすのも幸せだと思います。

どちらが幸せか、比較することから始めます。

 

注意すべきポイントは、これは本人だけでなく、家族全体の問題でもあることです。

例えば、利用者本人は入所したおかげで暮らしやすくて幸せになったけど、家族が貧困になり不幸になってしまったら、家族全体では幸せになっていないことになります。

これだと幸せとはいいがたいですよね。

この場合、家族が貧困にならない予算で施設探しをすることで問題は解決できます。

このようにちょうどいい、誰も損しない三方よしのようなところを狙って考える必要があります。

 

また、今は令和の時代、施設入所=「姥捨て山」「楢山節考」みたいなことはないです。

施設入所は親を捨てるようなものでかわいそう、と考える必要はありません。

様々な種類の介護施設があり、選択ができます。

 

比較の際、一つ目に考えるのは本人の状況です。

考えるのは、支援が「点」の支援で済むのか、「面」の支援で済むのかということです。

 

「点」とは、自分の一日を考えたとき

起床、トイレ、洗面、歯磨き、食事、着替え...こういう生活に必ず存在する動作を「点」というとします。

「点」だけの支援ならば施設ではなく家にいてもヘルパー等に手伝ってもらうことができます。

 

「面」とはそれ以外の時間です。

起床、トイレ、洗面、歯磨き、食事、着替え...この後、私なら仕事に行きます。

仕事をしている時間は特に「点」と言えばトイレか昼食くらいの動作しかなく私は特に人に迷惑もかけず淡々と仕事をして過ごします。

仕事が終わったら帰宅、着替え、夕食、入浴以外は寝るまで何かを淡々とします。

この淡々とした時間が「面」です。

仕事がなければ...TVを見る、新聞を読む、インターネットを閲覧する、散歩をする、趣味活動をする...こんな部分が「面」です。

こういう「面」を自力で過ごせる人は、家で暮らす選択で問題ありません。

 

しかし、認知症や何らかの不安、病気が重く頻回な介護・医療行為があるなどが原因で「面」の時間を、ずっと不安でいたり、凄く孤独を感じたり、誰かに何かを言いたかったり、実際何度も話しかけたり、このように「面」の時間を独力で過ごせない状況にあると、本人もつらいですし家族もつらいです。

この場合施設で暮らした方が、職員の手があったり他の利用者など人がたくさんいて気がまぎれたり、安心だったりすると思います。

 

逆に、認知症があっても「面」の時間が穏やかな方は家で過ごすことができます。

また、言葉を選ぶのですが、重度の方で自分で不安や孤独などを表現できなくなってしまった方も家での介護はできることが多いです。

要介護5だから施設で介護すべきとか、要介護1だからまだ家で大丈夫、といった介護度で決まるものでもないです。

 

ということで、一旦まとめると、「点」の支援で済むうちは家「面」の支援が必要なら施設を選ぶというのが一つ目の大きな分かれ目です。

家の暮らしの方が幸せ、という方はここで話は終わりです。

 

次に施設入所を選択したとして、どういう選び方をするかというポイントです。

よく、特養(特別養護老人ホーム)がいいとか有料(介護型・住宅型有料老人ホーム)は高いから無理、とか施設の種類で考える方がいますが、それより大事なのは「コスト」です。

 

最近の特養はユニット型と言って個室になっていて、場所によっては有料老人ホームのほうが安いところもあります。

従来型の多床室は確かに費用は安価ですが、簡単に入れません。

特養入所は基本的には「要介護度が高く、家族等が不在で困っている順」に入るので、なかなか順番が回ってこないのが現状です。

よく〇百人待ちとか言われますよね。

 

私は「特養入所は宝くじ」と利用者の方に話します。

なかなか当たらない(入れない)ということです。

宝くじの当選を当てにして未来を決められないですよね?

例えば「年末に宝くじが当たると思うから今からFerrariを買う!」と家族が言ったら必死で止めると思います。

特養の申し込みをしたから→入所できる、には結びつかないです。

特養は入所が決まるまで「待つ」「待てる」のが条件です。

申し込みをして待っていれば数か月から数年後に順番が回ってくる可能性があります。

 

有料老人ホームは空いていればすぐ入所が可能です。

調布市は、深大寺など観光地もあり比較的自然も多く、京王線ですぐ都心にも出られる好立地なので人気があります。

三鷹市も観光地ならジブリ美術館、電車は中央線と調布と条件は似ています。

私の住む狛江市は世田谷区と隣接していて小田急線で都心にも出られる好立地で同様に人気があります。世田谷感を出した名前の施設も多く、狛江なのに「成城〇〇」と名がつく施設、多少控え目だと「〇〇喜多見」など世田谷の地名を関する施設があったりするのが狛江らしさです。

当然ですが有料老人ホームは概して都心に近いほどコストが高いです。

その結果、調布の市民が調布の施設は高くて入れない、ということは多々あります。

 

そこで次に考えるのが、好きな「エリア」です。

都心から離れればコストが安いので、都心から離れたエリアを選ぶのですがそこに個別の事情を入れます。

例えば「長男が埼玉で働いているから埼玉は行きやすい」とか「出身が千葉だから千葉がいい」とかです。

電車の沿線のイメージもあり、調布市と狛江市は隣接していますが、狛江は小田急線が通っていてすぐ隣が神奈川県なので神奈川は近い印象がありますが、調布の方は京王線なので神奈川県は遠い印象があるようです。

狛江は立川方面は2駅先の登戸で乗り換えると南武線があるので近く感じますが、八王子方面は若干行きにくく感じます。

この親近感がある地域の感じが、好きな「エリア」です。

 

まとめると施設入所を考えたとき、まず考えるのは「コスト」の上限好きな「エリア」を決めることです。

 

コストとエリアが決まったら次に施設の種類選びです。

これを私は旅行に例えます。

例えば、語学力があって体力がタフな人はバックパッカーのように一人でどこでも行けますよね。

この場合良い点は自由で、悪い点は大変、危険などになると思います。

逆に語学も自信がなく体力もないという方は、ツアー旅行をすればいいです。荷物も運んでくれるし、宿も決まっています。

この場合、バックパッカーとは逆で、よい点は楽で安全、悪い点は自由さがないことです。

 

旅行のバックパッカーに当たる最も自由な形が「家」での生活です。

三食用意して、自分でお風呂に入って、買い物に行ってという方です。

それなりに体力、認知力がないと在宅での生活はできません。

 

次に自由なのが「サービス付き高齢者住宅(略すとサ高住)です。

これはアパートのように部屋が用意され、食事が出ます。あと、介護サービスを必要に応じて選択しながら暮らすので、安全な環境を手に入れつつある程度自由さもある生活ができます。看取りまでできるところもあります。

旅行で言えばホテルや飛行機だけ予約した旅行みたいな感じでしょうか。

 

「グループホーム」という選択肢もあります。これは認知症の診断をされた方が自分でできることをしながら共同で暮らす場です。

ここはあまり認知症が重度になるとは入れないです。認知症が軽度のうちの選択です。

 

サ高住と似た感じもあるのですが「住宅型有料老人ホーム」という種類の施設あります。

これは、サ高住より重度な方が選ばれることが多いです。

介護サービスは選択できますが、ある程度施設の方針でサービスの量が決められます。手厚めにサービスが組まれます。

 

最も重度な方が選択されるのは「特別養護老人ホーム(略して特養)」「介護付き有料老人ホーム」です。

特に特養は要介護3以上でないと入所できません。

要介護3というの、は認知症が重いか、または車いす程度の介護に他者の手助けが必要な方です。

起床に始まり、排せつ、食事、入浴、レクリエーション、就寝まで施設でプログラムが組まれていて、その中で暮らしていきます。

まさに先ほど書いた「面」での支援があります。

自由度は低いですが、安全に暮らすことができます。

旅行で言えば観光地の案内からガイドさんが付いて、宿から交通機関、食事の場所、すべてが決まっているツアー旅行です。

 

点の支援(軽度者)⇐家....サ高住、グループホーム、住宅型、介護型、特養⇒面の支援(重度者)という感じです。

 

ただ施設の種類というのはそんなに重要ではありません。

今の状況、コスト、エリア、ご本人やご家族が望む生活に適っているかが重要です。

 

では施設をどう探すか?というのが最後のポイントです。

ケアマネージャーに聞く、と言ってくださるのはうれしいですが、ケアマネは意外と施設のことは知らないです。

入所してしまうとケアマネとしてのサービスが終わってしまうからです。

予め、コストの上限、エリアの希望をケアマネに伝えて、ケアマネは「紹介センター」を使うことが多いです。

紹介センターというのは、施設がお金を払うので、利用者に負担はありません。

希望に合った施設を紹介してくれて、場合によっては見学も連れて行ってくれます。

 

ちなみに余談ですが、この「紹介センター」からケアマネへのバックマージン等は無いです。

私たちケアマネージャーが公正中立だからか、そういう文化はないです。

紹介センターに限らずケアマネへのバックマージンってありそうでない、とてもきれいな世界だと思います(笑)

どうか「ケアマネはお金目当てで紹介センターとグルになって私を施設に入れようとしている!」とか思わないでいただきたいです。

 

最後に、施設探しというのは時間がかかります。

特養は月~年単位です。

有料老人ホーム・サ高住は空いてさえいれば入所まで早ければ3週間くらいはかかります。

家での暮らしが限界!となってからでは少し遅いです。

限界が近づいている、というくらいから探し始めるといいと思います。

 

かなり書いてみたのですが、まだ細かい部分はいっぱいあるんですが、読む方もしんどいと思いますのでこのあたりにしておきましょう。

とても大事なことです、住む場所の話。

どの形が本人家族みんなが幸せになるか考えるといいと思います。

 

 

写真は「増田屋」さんのおかめそばです。

クーラーを効かせた部屋で書いていたら体が冷えてしまって、リモーネケアの前の「増田屋」さんに行きました。

私はこの増田屋さん、月何回か行きます。

おかめそばはいろいろ乗っていて楽しいです。

 

もう一枚は今年の枝豆です。

今年もリモーネの花壇で収穫しました。

今週暑くて「枯れてしまいそう。」と危機感が芽生えて急遽取りました。

去年は100均のでしたが、今年はユニディで買った茶豆の種から作り、質が良かったのか美味しかったです!

 

文:池端祥一郎

 

調布 三鷹 ケアマネ 求人 介護支援専門員

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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