キレる高齢者と危ういDX化 どっちがおかしい?
2026/08/22
おはようございます。
まだまだ暑いですが、8月も終盤になり夕方になると少し涼しい感じがします。
私は先日狛江の「灯篭祭り」に行きました。
「川面を灯篭が流れるのは美しいだろうなぁ。」と思いながら多摩川まで行ったのですが、写真の通り灯篭は陸にあるままです。
聞くと、以前はボート屋さんがあって下流で灯篭を回収していたんだけど、コロナの時にボート屋さんが廃業してしまって回収ができなくなった。
だからいまは灯篭は川に流さないそうです。
「だから灯篭流しじゃなくて灯篭祭りなんだ...。」
ちょっと残念に思いながら橋の上で缶ビールを飲んでいました。
灯篭は流れなくても、暑すぎない夜風とよく冷えた缶ビールは最高!
北海道に行った友人がくれたサッポロビール園の「サッポロファイブスター」です。
SORACHIと似た感じで美味しいビールでした。
先日、補助金の申請のために国税の納税証明書が必要とのことで税務署に行きました。
識別番号とパスワードがあれば、e-taxで取れるのですが、急ぎだったので仕方なく税務署まで取りに来ました。
税務署に来るとよく目にするのですが、いつも何組か怒っている人がいます。
たいていは高齢の経営者の方です。
この日の話はこうです。
経営者「納税証明書をください。」
職員「インターネットでできるので、この表の順番でにやってくれればできます。」
経「それができないからわざわざここまで来たんだよ!怒」
職「識別番号とパスワードはお分かりになりますか?」
経「わからない。調べてくれよ!」「以前は来たら出してくれただろう?」
「スマホもパソコンも持ってない。どうするんだ?!」
もう高齢の(たぶん高齢)経営者(たぶん経営者)の怒りは止まりません。
大声で怒っています!
お盆で閑散としている広い部屋で経営者の怒りの声が響きました。
私は職員の方と話していたので、小声で「大変ですね。」と言いました。
そうしているうちに「税金を払わせるだけ払わせて証明書1枚も出さないのか!!」
大声で捨て台詞を吐き、カツカツと靴音を立てて経営者は帰っていきました。
老害...そんな言葉がつい出てきそうです。
あの経営者の言葉には嘘があります
「スマホもパソコンも持ってない。どうするんだ?!」
そんなことあるのでしょうか?
紙と現金だけで当日決済だけでやっている第一次産業の従事者であれば可能性はありますが、比較的服装がこぎれいな感じがしました。
しかもここは東京、仕事でスマホやパソコンくらい仕事で使うでしょう。
いい歳の経営者がそんな稚拙な噓をついている。
そもそもそんなに怒らなくたっていいのに...。
大丈夫だろうか?納税証明書取りに来たのに怒って帰ってしまって...。
私は端から見ていて、いろいろなことを思いました。
デジタルが苦手な感じなのは会話から分かりました。
イラつく、というのも分かります。
証明書を取りに来るってことはきちんと納税もしてるだろうし、それなのに証明書1枚がすっと出てこない。
どこから来たかわからないけど、真夏の昼の暑い中わざわざ駅から遠い税務署まで来たのに、証明書がもらえない。
苦手なデジタルを強要される。
苦手なだけじゃなく、老眼とかもあるかもしれない。
使い慣れないパソコン、見づらいスマホはストレスでしょう。
しかも私も思ったけど、行政関係のシステムは面倒くさいです。
名前も住所も何度も何度も入力しなくてはいけなくて、いちいちフリガナも必要。
時間も手間もかかるし、わかりづらいです。
あの経営者じゃなくたってイライラする。
なんであんなに面倒でストレスフルなシステムを作るんだろうと思います。
Amazonとか買い物サイトなんてストレスがかからないじゃないですか。
欲しいなと思ったらスマホで「ポチる」だけで翌日には家に届きます。
使いやすいからみんな使うわけです。
なぜ行政関係のWEBはいつもあんなに面倒なんだろう?
使いづらいから、みんな使わないのがいいってことなのか...?
あれでは高齢者はついていけないし、昨日みたいに怒る人もいるだろうし、やがては諦観してしまうかもしれない。
DX化(デジタルトランスフォーメーション)は効率的で確かにいいのですが、世の中の世代間の分断が進むように思いました。
世代だけじゃなくて、インテリジェンスもあると思います。
情報弱者や理解できない人は置いて行かれて、理解できる人しか生き残れない。
経済力だってあります。
高速な通信環境で新しいパソコンやスマホを使えればいいですが、そうでない人はたくさんいます。
そういう人も置いて行ってしまう。
かつて産業革命で経済が発展する一方で資本家と労働者の間に圧倒的な貧富の格差が広がった。
DX化はあの時と同じように、格差や分断を助長することになりかねないと思ってしまいました。
いつだって負けるのは持たざる者、年老いたものなんだ、と。
窓口でキレる経営者、格差や分断を招きかねない危ういDX化。
これってどちらがおかしいんでしょうね?
わたしはどっちもおかしい気がします。
私はできない人には、手を差し伸べてあげればいいと思います。優しく。
「わかりました、お調べします。」と言って証明書を出してあげればいいじゃないですか。
だってできないんだから。わからないんだから。
そうしたらあの経営者も納税証明書が手に入りHAPPYです。
怒ることもないし、稚拙な嘘も言わなくていいし、老害なんて思われません。
きっと笑顔で「ありがとう。」と言ってくれる。
自分でできる人との間に不平等があるなら人件費分の数100円でも手数料を多くとればいい。
優しさでも手数料でもいいけど、工夫で格差と分断を埋めるように何とかならないでしょうかね。
これからもっとDX化の傾向は強まるのだろうと思うと、便利さの裏に格差や分断があると思うと私は悲しくなります。
ケアマネは...
利用者にデジタルの対策を求められても残念ながらそれは業務ではないシャドーワークなんですよね。
情報漏洩とか言われるリスクもあるし、マイナンバーカードやクレジットカードには触れたくないです。
難しいなぁ、と思いながらちょっと遠い税務署から帰ってきました。
文:池端祥一郎
ちなみに私は老害という言葉嫌いです。
変えられない(年齢・性別・人種・国籍・出自・遺伝的特徴...)ことで批判するのは良くないと思います。

